テーマ:江戸川乱歩

全巻揃ったよ!

角川文庫の江戸川乱歩全集、20巻。コンプリートしました。宮田雅之の切り絵の表紙のバージョンね。背表紙が水色なんで色が剥げちゃうし当時の紙はあまり良くなくて焼けた色になってしまって年代感が出ちゃうんだけど、まあ、なんと味があることかと。 全巻売ったらマニアが高額で買い取ってくれて食うに困らないんじゃないか、とも思える…
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『モノグラム』(1926)

「算盤が恋を語る恋」「接吻」など、江戸川乱歩の作品には思い込みの強い男性の主人公が女性への恋心を自分の中で育てて煩悶する話があるが、今回の「モノグラム」もそれ。全く面識のない主人公の40男と30男が浅草公園で遭遇。名前を聞いても生まれ育ったところや住んでるところを聞いてもさっぱり接点がない。なのにお互いに「どこかであったころがある気がす…
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『踊る一寸法師』(1926)

SNSによる陰湿な匿名の書き込みが最近話題になっている。イジメの話題も全くなくならず、人というのはなぜ弱い者や少数の立場の者を攻撃するのかと考えさせられてしまうが多分、人間の本能に近い部分にある暗い欲求とか性質がそうさせるんじゃないか、とも思う。 最近はメディアの表現もかなりの割合で規制され、本来アナーキーな存在である芸能人が率先…
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『火星の運河』(1926)

マニアの中では難解で通ってる作品だし、マニアでないとタイトルすら知らない短編だと思う。そもそも推理小説ではなく、幻想的で耽美的な表現と夢オチ。ただ、銀色の空と黒色の丸い沼、美しい女体。モノクロの風景の中で…赤が足りない!という世界感が好き。 怖い夢から覚めて恋人に見つめられるのだが、私はここまでも若い頃に見る夢のように思う。誤解を…
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『毒草』(1926)

江戸川乱歩というと「フハハハハ~、明智くん、さらばだ!」系の話とか、資産家の令嬢が出てくる話とかを想像する人が多いが、意外と社会の底辺とか貧困を描くこともあって、この「毒草」という作品もそれである。 「貧乏子だくさん」という言葉がある。テレビで大家族のバラエティを見る機会が多いので私たちもイメージがソッチの方に行ってしまう。いやい…
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『木馬は廻る』(1926)

貧乏で50過ぎで妻子持ちのラッパ吹きが、同じ回転木馬の施設で働く18歳の娘に淡い恋心を抱く話。江戸川乱歩の小説には事件性のない話も多いのだが、この作品はまあ、事件という事件は起こらない作品である。 スリの男が警官の目の逃れるために回転木馬に乗り込み、そこの娘の衣服にすった給料袋を隠す。それを恋文だと勘違いした主人公が煩悶したり、そ…
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幽霊塔のススメ

アルフレッド・ヒッチコック監督の孫娘が大学で映画の授業があったという話があって、教授だか准教授の気分になると(家に帰って爺さんに聞けや)と思うだろうな、と思ったことがある。ヒッチコックの孫に映画の講釈をたれるのを光栄に思うか、おこがましく思うか。 金田一秀穂先生にも甥っ子がいるかも知れないが、もしその甥っ子が日本語の面白さに目覚め…
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『指』(1960)

私。小学生時代は江戸川乱歩に夢中になり、中学生時代はヒッチコック監督の映画に夢中になった。ヒッチコック監督の来日時、江戸川乱歩らが迎えたという話があるが、そういうことがあったと私が知るのはだいぶ後の話。しかし江戸川乱歩の短編「指」が「ヒッチコック・マガジン」というミステリー誌に掲載されたということはどこかで記憶があった。 右手の手…
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『お勢登場』(1926)

江戸川乱歩の作品の中でも結構メジャーな部類の作品じゃないですかね。NHKの満島ひかりのドラマでも映像化されたし、黒木華で舞台化されたらしいし。映画「RAMPO」の冒頭でもアニメで流されていたが、ホントに乱歩的なテイストに溢れた作品である。 小さい頃に読んだ時にはタイトルに違和感があった。今でも違和感は払拭しきれてない。個人的で勝手…
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『算盤が恋を語る話』(1925)

「日記帳」という作品と同じく、江戸川乱歩が内気な男の恋の告白を暗号で女性に伝えようとするお話。会計係のサラリーマンが職場の好きな娘の机の上にソロバンで暗号を残してドキドキするという、今なら少しアブナイ男の話なのである。 「日記帳」と同じく、告白の手段としては些か卑怯である。「あの、お気持ちはわかりましたが、ごめんなさい!」と恋愛感…
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『日記帳』(1925)

初期の江戸川乱歩の作品は暗号モノが多く、デビュー作の「二銭銅貨」からして暗号モノだし、後の名作「孤島の鬼」も宝探し的な暗号解きの楽しさがある。翻案モノだけど「幽麗塔」もそう。。江戸川乱歩の名前の元ネタとなったエドガー・アラン・ポーの「黄金虫」もアルファベットの暗号だったが、暗号というのは実のところ犯罪には使われないんじゃないかと思う。 …
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『一枚の切符』(1923)

江戸川乱歩のデビュー作「二銭銅貨」に続く第二作とされる「一枚の切符」。「二銭銅貨」が日本語を用いた暗号解読の作品だったので純日本製の探偵小説ともてはやされたようだか、何となくこの作品には汽車や博士や切符という、洋風な香りが漂う。 富田博士の邸宅の裏を走る列車に、富田博士の奥さんがひかれて死亡、というのが始まり。名探偵と名高い黒田と…
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『恐ろしき錯誤』(1923)

江戸川乱歩は自分に厳しい人だったようだが、やっぱり他人からも厳しい評価を受けることもあったようである。「二銭銅貨」「一枚の切符」で整理小説家として鮮烈なデビューを飾るも、第三作目のこの「恐ろしき錯誤」は時の編集長が「うーん、これはまだダメかなあ」と掲載を見送ったというのだから、やっぱり粗削りな作品なんだろうね。 私が見ても冗長な感…
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『夢遊病者の死』(1925)

江戸川乱歩の作品をこれから読む方にとってネタバレになるかも知れないが「疑惑」とか「二廃人」と同じような夢遊病を題材にした作品。自分が夢遊病だったら…と思うと恐怖だし、今ならwebカメラを活用したり発達した医学で対処が可能だろうけど昔は大変だろうなと思うこともある。推理小説としての題材としては面白い題材だろう。 ただこの作品の読みど…
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『疑惑』(1925)

映画でもドラマでも同じようなタイトルの作品が多く、江戸川乱歩の「疑惑」ってどんな話だっけな?と思う人も多いと思う。そもそもメジャーな作品じゃないから何ですかそれ?の人の方が多いと思うが、日を追うごとに主人公の話が転々としたり、家族に対する疑惑が深まってくるという乱歩の筆力がひしひしと伝わってくる作品である。 主人公と友人の会話で成…
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『断崖』(1950)

断崖と言えばヒッチコック監督作品の「断崖(原題:Suspicion)」(1941)も思い出す。Suspicionと言えば「疑い」とのことで邦題のつけ方が見事だなあと思うが、日本の方でも崖と言えばは2時間サスペンスの王道である。(何故わざわざそんなとこに…)と誰もが突っ込む崖の上の犯罪者の告白…。その発祥は、やはり江戸川乱歩なのではないか…
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『二癈人』(1924)

江戸川乱歩の「石榴」とか「断崖」と似たテイストの短編。冬の温泉宿、日差しが障子いっぱいに広がって、その中で渋い煎茶とタバコを楽しみながら二人の男が火鉢を囲んで話す光景。この時点でなんかいいよねえ。温泉宿。 でもタイトルは「二癈人」。戦争で傷を負った男と、過去の犯罪で一生を棒に振った主人公。この二人を廃人と言ってるのだろうが、傷を負…
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嬉しすぎてつらい

『昭和の名優、故天知茂さんが名探偵・明智小五郎を演じ、人気を博したドラマシリーズ25作品が初ブルーレイ化され、「江戸川乱歩の美女シリーズ Blu-ray BOX」として6月24日にキングレコードから発売される。』 … この日記をお読みの方はご存じかも知れないが、私は熱心な明智小五郎マニアであり、中でも天知茂の美女シリーズには並々な…
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『江戸川乱歩映像読本』

今日ご紹介する書籍はこれ。『江戸川乱歩映像読本』。紹介はするが乱歩に興味がない御仁には全くオススメは出来ない書籍である。100%江戸川乱歩と、その映像化された内容に関わる、非常にマニアックな書籍だ。 明智小五郎と金田一耕助の研究家を標榜する私にとっては嬉し恥ずかし…、いや恥ずかしくはないし小躍りする程に…
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『湖畔亭事件』 (1926)

『湖畔亭事件』という小説も、実に江戸川乱歩っぽい小説なんだよなな。内気な主人公が療養に来ている湖畔亭という旅館の自分の部屋に女湯を覗ける鏡の仕掛けを作って自分の世界に浸る世界感。まさに乱歩っぽい。 鏡、押し入れの中。そしてその仕掛けの中に広がる美しい女性の後ろ姿と彼女を狙う巨大な包丁。ヒッチコックの『裏窓』に似たサスペンスである。…
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『一寸法師』 (1926)

『一寸法師』って今だと何て言ったらいいんですかね、作者の江戸川乱歩のように表現すると、子供の身体に大人の頭が乗ってる人なんですが、そんな身体的に特徴のある人が世紀の犯罪者として、色々としでかすという話。 明智小五郎登場作品。江戸川乱歩はこの作品に自己嫌悪を覚えて放浪の旅に出かけ、1年と2ヶ月の断筆と相成ったというのは有名な話だが、…
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『妖虫』 (1933)

探偵小説と呼ばれるものには、トリックに重きをおくばかりに動機が薄かったり、ワンパターンなものが多いような気がする。2時間ドラマが隆盛となっている現代においてその傾向は顕著だと思うが、この『妖虫』は壮絶だ。 物語のたてつけ自体は、乱歩の他の有名な作品に似た部分も多い。神出鬼没の怪人に狙われる美女、探偵と赤いサソリ団と呼ばれる犯罪者と…
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『孤島の鬼』 (1929)

石井輝男監督の『江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間』(1969)という映画。もうタイトルからしてダメなのだが、これが何年かに1度ぐらいのサイクルで名画座に登場したりする。前回は池袋の新文芸座でリバイバル公開され、 皆さまの予想に漏れず私も参加してきたのだが、まさに参加という言葉が似合うぐらいのお祭り騒ぎ。「人間椅子」と書かれたTシャツの…
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『黒蜥蜴』 (1934)

久々にブログテーマを追加しての更新。「江戸川乱歩」とテーマを追加したのは私の中で第何次かの江戸川乱歩ブームが到来し、何度も読んだはずの乱歩の小説を読み返しているからだ。皆さまにも是非お伝えしたい。 最初は有名な『黒蜥蜴』から紹介したい。美貌の女賊、黒蜥蜴と名探偵・明智小五郎の対決は乱歩ファンでなくとも知ってる人は多いはずである。乱…
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