『モノグラム』(1926)

「算盤が恋を語る恋」「接吻」など、江戸川乱歩の作品には思い込みの強い男性の主人公が女性への恋心を自分の中で育てて煩悶する話があるが、今回の「モノグラム」もそれ。全く面識のない主人公の40男と30男が浅草公園で遭遇。名前を聞いても生まれ育ったところや住んでるところを聞いてもさっぱり接点がない。なのにお互いに「どこかであったころがある気がする」と言い合うわけである。

で、その30男は40男の青春時代の憧れであった女学校のアイドル的な存在の女性の弟で、その女性は早世してしまったが遺品の懐中鏡の裏に隠してあったのが40男の写真であったという話。姉と弟であれば面影があるだろうし、弟の方は写真で40男の若い頃を見てるのである。で、ということは憧れの女性とは相思相愛だったのかあ、という甘いお話。

キレイさでは及ばない、その憧れの女性の同級生の女性と結婚している主人公。今ではヒステリーにギャーギャー言ってる奥さんに隠れて懐かしがっていたのが、なんとその懐中鏡と写真を奥さんに発見されてしまう…

とここからがオチのある話でございます。なんというか、モテ男には書けない話が多くて、そういうところも私が江戸川乱歩が好きな理由のひとつだったりするんですね。




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