幽霊塔のススメ

アルフレッド・ヒッチコック監督の孫娘が大学で映画の授業があったという話があって、教授だか准教授の気分になると(家に帰って爺さんに聞けや)と思うだろうな、と思ったことがある。ヒッチコックの孫に映画の講釈をたれるのを光栄に思うか、おこがましく思うか。

金田一秀穂先生にも甥っ子がいるかも知れないが、もしその甥っ子が日本語の面白さに目覚めた時、(え?ウチの家系って神様ぞろいじゃねえか!)と思うんじゃないか、とか、第一人者が家族とか親戚にいるという気持ちとかどんなもんなのかと思うことがある。

ヒッチコックとか金田一先生とかまではいかないが、今日小学生の甥っ子が「名探偵コナンの探偵入門」という本を片手に「おじさーん、問題でーす」と話しかけてきた時に、もし甥っ子がこの分野に興味を持ったらきっと力になれると思ったものである。ああ。明智小五郎研究家にして金田一耕助の映像作品マニア、松田優作とマスターキートンに憧れて証券会社をヤメて探偵稼業も経験したほどのこのおじさんである。

当然、甥っ子の出す問題には全問正解。途中に書かれている世界の名探偵のエピソードや、日本の名探偵のコーナーの少し詳し目の説明に、目をキラキラして聞き入る甥っ子。明智小五郎や金田一耕助の魅力を語らせるのに、江東区レベルでは私より適任は他にはいないのである。

甥っ子は10歳。思えば私がその歳には天知茂の美女シリーズをリアルタイムでも再放送でもガン見してたわけだし、既に陰獣もD坂の殺人事件も読破している年齢だが、コナンから入っている甥っ子に動機がSMである作品を薦めるのはどうか、と、

頭の中で少し物語を思い出した後、はじき出した答えは江戸川乱歩翻案モノの大傑作「幽霊塔」であった。光文社文庫を部屋から持ってきて「ホントに面白いから読んでみ?」と薦めたが、うーん、まだ漢字が多すぎるのと、持った感じのブ厚さでハードルが高かったか。

甥っ子には「まだいいやー」と断られてしまったが、ついでだから皆さまにもおススメしたい。江戸川乱歩は「白髪鬼」と「幽霊塔」で黒岩涙香の翻案小説をリライトしている。「白髪鬼」は原作はヴェンデッタというゴリゴリに復讐モノで、更に乱歩が得意のエログロ要素を追加してるのでとても小学生に薦められるものではないが(ちなみに私が小学生の時最初に読んだのが「白髪鬼」だった)、

幽霊塔の方はハラハラドキドキな冒険談。コロナで自宅待機を余儀なくされてる大人も子供にもおススメです。









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