『指』(1960)

私。小学生時代は江戸川乱歩に夢中になり、中学生時代はヒッチコック監督の映画に夢中になった。ヒッチコック監督の来日時、江戸川乱歩らが迎えたという話があるが、そういうことがあったと私が知るのはだいぶ後の話。しかし江戸川乱歩の短編「指」が「ヒッチコック・マガジン」というミステリー誌に掲載されたということはどこかで記憶があった。

右手の手首より先をさっくり切断されて病院に運ばれたピアニストの話。オチのある超・短編なのだが子供の頃は面白え~と思ったものだ。今、いい年になって読んでみると、江戸川乱歩っぽくもなければヒッチコックっぽくもない。強いていうなら「世にも奇妙な物語」系の話かな。作品自体は2分で読める話なので紹介はこのヘンにしておくが、

多くの江戸川乱歩の秀逸な短編が1920年代に書かれているのに対し、この作品は1960年。本格小説も変革小説もエロもグロも書き尽くし、子供向けの少年探偵団シリーズを書いている間にサラッと書いた余裕が見て取れる作品である。江戸川乱歩という壮絶な作家人生。もしかしたらこの作品も、これまでの栄光や苦悩を歩んできた右手が、ひとりでにサラサラと書き上げた作品なのかもしれませんね。





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