『断崖』(1950)

断崖と言えばヒッチコック監督作品の「断崖(原題:Suspicion)」(1941)も思い出す。Suspicionと言えば「疑い」とのことで邦題のつけ方が見事だなあと思うが、日本の方でも崖と言えばは2時間サスペンスの王道である。(何故わざわざそんなとこに…)と誰もが突っ込む崖の上の犯罪者の告白…。その発祥は、やはり江戸川乱歩なのではないかと思える。

「春、K温泉から山路をのぼること一マイル、はるか目の下に渓流をのぞむ断崖の上」と始まるこの作品。男と少し年上の女が犯罪の告白を行うのである。K温泉って川治温泉かな?鬼怒川温泉かな?それとも黒部温泉かな?推理小説の名作だがこの答えは作品の中では明らかにはならない。この作品で描かれるのは完全犯罪。一人二役と正当防衛とプロパビリティの犯罪の3点が取り上げられてて贅沢である。

プロパビリティの犯罪というのは「赤い部屋」でもあったが、例えば貴方が憎き義理の母親を殺そうと明確な殺意があったとして、冬の寒い朝に階段に毎日水を撒いたとする。いつか義理の母が階段の凍った氷で滑って転倒して死亡しても貴方を罪には問えないですね、という話。完全犯罪というのは「ばれない」「捕まらない」犯罪のことである。

この物語の女性は二度も完全犯罪を成功させてしまう。やっぱり断崖はサスペンスな場所でございますな。










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