「悪魔が来たりて笛を吹く」 (2018)

先日、NHKのBSで放送された「悪魔が来たりて笛を吹く」の感想を。



■どうしたNHK?題材や演出、攻め過ぎ!

前回が放送禁止用語が炸裂する「獄門島」。今回は動機がタブーすぎる「悪魔が来たりて笛を吹く」。いずれも地上波での本格的な放送は厳しいとされてた作品だけど、BSプレミアムだからいいのか?今回も動機や映像描写も遠慮なし。いい傾向だけど、NHKってDVDとか出してくれるのかな?金田一モノは映像作品として見たい人が見たい時に見れるように残しておいて頂きたいものです。BSは見れる人が限定されるからね。

■最低の名探偵、吉岡金田一!

前回の「獄門島」の長谷川博己の金田一があまりにもエキセントリックだったので1作でクビになった?長谷川博己は再来年の大河で金田一でなくて明智(光秀)を演じることが決まってるのでNHKの覚えもめでたいと思うのだが、金田一は吉岡秀隆にバトンダッチ。「獄門島」の最後に等々力警部から電報で「悪魔が来たりて笛を吹く」の事件に呼ばれてたけど、今回、ヒロインの椿美禰子(志田未来)からフツーに依頼を受けてる吉岡金田一。等々力警部は事件が起こってから登場します。

で、最後に本人も言ってるけど、この金田一が優秀なら全ての殺人事件を未然に止められてるんだよねハハハ。今回の犯人は自分が「悪魔」であることを知らなかったという斬新な設定。もとより殺人の予定もさほどなかった犯人の最初の殺人の原因は金田一センセイの帽子。後半はドSか?ってぐらいに犯人を追い込み、その犯人は逆上して復讐相手を刺殺し、その現行犯として警部に銃殺されるという、トンでもない無能っぷり。

ラストに倍賞美津子に人が死ななければアンタの商売あがったりみたいなことを言われてたから、まあ商売上手ってことなんだろうけど、事件を解決するために雇うなら最低の探偵だろうね、ハハハ。エンドロールで磯川警部(声)として前作と同じ小市慢太郎とクレジットが出てて (ん?声すら出てたか?)と思ったけど、エンドロールが終わってから、「八つ墓村で事件です!」って次回作の予告でしたね。八つ墓村もヒドイよ。全員死んじゃうまで金田一が傍観してる話だから。次回作も期待してまーす。

■ナイスなキャスティング

朝ドラやってる頃からビッチ役が似合っていた倉科カナや、原作ではブス設定だけど父の無実を信じる可憐なヒロインの役どころである志田未来、あと小夜子役の人とか、爛れたエロババア役の筒井真理子など女優陣のキャスティングが絶妙だが、特に印象に残ったのが駒子役の黒沢あすか。この人は元来キレイな人なんだけどね。演技力だありすぎて怖い。石坂浩二版の白石加代子のポジションを狙える感じですな。

■「悪魔が来たりて笛を吹く」の魅力

大体、磯川警部が出てくるのが岡山あたりが舞台で(獄門島、、八つ墓村など)、等々力警部が出てくるのが今回のように東京とか舞台になる。今回は帝銀事件をモチーフにした都市型の犯罪を起因としていたり、洋館や貴族などの特権階級が出てきたり、フルートを吹く人が出てきたりと、話が都会的である。かつ本作では瞬間移動してるが、事件を追って須磨とか淡路に金田一が訪れるなど2時間サスペンス的な旅情の要素もある。

金田一が神戸で捜査という名の旅をしてる間に、東京で事件が加速するというのも、物語としては面白いところ。
貴族とか洋館とか密室とかの都会っぽさと、閉鎖的で狭い人間関係の中で起こる出生の秘密とかが上手く同居してるのがこの話の魅力だと思う。笛というのも尺八とかでなくてフルートってもの貴族的。フルートでないと本作の謎解きにならないんだろうね。








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