『江戸川乱歩映像読本』

今日ご紹介する書籍はこれ。『江戸川乱歩映像読本』。紹介はするが乱歩に興味がない御仁には全くオススメは出来ない書籍である。100%江戸川乱歩と、その映像化された内容に関わる、非常にマニアックな書籍だ。



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明智小五郎と金田一耕助の研究家を標榜する私にとっては嬉し恥ずかし…、いや恥ずかしくはないし小躍りする程に嬉しいのだが、心の中でかすかに(いやもう、詳しすぎて自分で見つける楽しみがなくなっちゃう♪)と、

残念に思う気持ちすら出てくるぐらい、マニアックで楽しい書籍なのである。しかも表紙に採用されるぐらい、天知茂の明智小五郎、土曜ワイド劇場の「美女シリーズ」がリスペクトされている。土ワイが表紙なんて、素晴らしい。

天知茂版の特徴は何と言っても変装。時には仮面をかぶり、時には松村達雄やレオナルド熊に化ける。変装の理由は「死んだことにして犯人を油断させる為」とか「犯人が殺した人間に扮して犯行の状況を引き出す」とか、

探偵として至極もっともな理由なのも多いが、「犯人を驚かす為」とか、ややもすると単に周囲を驚かす為だけなんじゃないか、と突っ込みを隠せないものも散見される。まあ、変装する必然性があまりない回もあるのである。

それはそれで非常に楽しい。魅力的なのは「悪魔のような美女(江戸川乱歩の黒蜥蜴)」の回。女賊の黒蜥蜴こと小川真由美は明智小五郎との対決の中で半ば、恋愛に近い感情を明智小五郎に抱いているわけだが、

行きがかり上、明智を束縛して殺してしまう(と思いこむ)。探偵との対決に勝利したとは言え、恋心を抱いた相手を殺してしまった女心がチラチラと。終盤に黒蜥蜴は追い詰められ、どうやら殺したはずの明智が生きてると、

「負けたわ」と手下に変装した明智に嬉しそうに語りかけるのだ。それに対して「おわかりになりましたか」の声のトーンの何とクールでニヒルなこと。後半の回にありがちなデレっぽさの無い、天知茂の冷たい魅力が炸裂。

「五重塔の美女(江戸川乱歩の幽鬼の塔)」ではピッチピチの頃の片平なぎさを差し置いて、今見ると強烈に美人な生田悦子の色仕掛けに乗ったフリしてちゃっかり証拠収集。無関係ぽい人物に変装して証拠を取り出し、

生田悦子に「あなたいったい…誰?」と言わせてしまうあたりは、単なる趣味で変装している感じである。犯人や周囲を驚かせ、それを半ば残酷なまでの視線で見つめる明智先生の魅力が溢れまくってるのがこのシリーズ。

こんな天知茂の明智小五郎をはじめ、色々な江戸川乱歩の映像作品について触れている『江戸川乱歩映像読本』。興味があれば是非。それはそうとこの日記を更新する前にコメントをくれたニックネーム「マリア」さま…



「あなたいったい…誰ですか?」









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この記事へのコメント

マリア
2014年12月17日 13:31
お元気そうですね
ぼんさく
2014年12月19日 00:03
ということで、過疎化の進むこのブログ、新しいお客さまは大歓迎でございます。ぼんさく、元気でやっております。

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